Vol.02 行政の取り組み

行政の取り組み

就労継続支援A型事業所、就労移行支援事業所の存続問題

A型や移行支援の事業存続が難しくなっているという声があがっていますが、鹿児島市としては現状をどのように捉えていますか。また、対策やサポートはお考えでしょうか。

平成30年4月からは、一般就労移行後の定着実績に応じて基本報酬を算定する仕組みとなり、これまでより厳格に評価されることになりましたが、本市の就労移行支援事業所では、報酬単価が増えた事業所と減った事業所は、ほぼ同数のようです。

鹿児島市における障がい者雇用促進への取り組み

一般就労への移行や定着は、企業などが障害者を雇用することが前提で、全国でも実績があがらないことが課題になっており、本市でも同様の状況となっています。そのため本市では、障がい者を雇用した中小企業事業主への助成金の支給や、障害者雇用のための助成金制度等をまとめた「障害者雇用ガイド」による広報啓発などを行い、雇用促進を図っているところです。
 一方、就労継続支援事業所は、継続的に働ける方が雇用契約を結んで利用するA型と、雇用されることが難しい方などが雇用契約を結ばずに利用するB型があります。どちらも、通常の事業所に雇用されることが難しい障害者に対して、働く機会を提供しながら、様々な活動の機会を通して、知識や能力の向上のために必要な訓練を行うものです。

平成30年4月から関係省令等が改正されました

A型事業所については、正当な理由なく労働時間を短くしたり、本来は障がい者の就労を支援するための経費である自立支援給付費を障がい者の賃金に充てるなど、不適切な事例が全国的に発生していたため、昨年、関係省令等の改正が行われました。また、30年4月からは、利用者の一日の平均労働時間に応じた基本報酬となりましたが、本市の事業所では、報酬単価は概ね上昇しているようです。

サービス利用と就労を両立させて事業を実施する必要があります

A型事業所は、サービス利用と就労という二つの側面を持ち、障がい者が支援を受けながら働いており、賃金については、事業収益の中から支払うことが求められます。そのため事業所は障がい者の特性を考慮しながら、新たな切り口での仕事や商品開発など、経営が成り立つような事業を実施する必要がありますが、なかなか両立させることは難しいようです。

このような状況を踏まえ鹿児島市ではさまざま助成をを行っています

そのような状況も踏まえて本市では、障がい者就労施設等からの物品等の調達推進方針を定め、29年度は約2,200万円を調達したほか、障がい福祉サービスの運営法人等で構成される団体が、商品やサービスの広報用に作成するカタログやホームページの経費に対し助成を行っているところです。また、障害に特化したものではありませんが、起業・創業・経営についての相談を受ける「鹿児島市インキュベーション・マネージャー」をソーホーかごしま等に配置しています。

行政の取り組み・指宿市

就労継続支援B型事業所を取り巻く状況は昨年の制度改正以降変化してきています

就労継続支援事業所について、本市においては、平成31年1月現在、A型事業所が2事業所、B型事業所が10事業所設置されています。特にここ数年の間に事業所数が増加したことに伴い、利用者数も増加している状況です。

就労継続支援B型事業所を取り巻く状況は変化しています 柔軟な対応がもとめられます

就労継続支援B型事業所を取り巻く状況は変化してきており、県からの通達のとおり、給付費から工賃を支出できないことはもとより、平成30年度の制度改正により、平均工賃月額に応じた基本報酬単価が設定されるようになっています。さらに就労継続支援B型の支援を受けた者がその後就労した場合、そこを評価され報酬へ反映させる仕組みとなるなど、実績に応じた制度改正になっていることなどから、就労継続支援B型事業所は、このような変化に柔軟に対応していってほしいところです。新たな生産活動の創造・開拓や新商品の開発などにより、利用者の方々のCS(顧客満足度)を満たしたうえで、充実した活動から一般就労に向けた知識や技能の向上を図るためのきめ細やかな個別支援を期待いたします。

地域の特産品を活用した新商品開発など新たな事業への取り組みも進めています

新商品開発への新たな取り組みとして、本市の健幸・協働のまちづくり課が平成30年度に実施している「福祉施設との連携による健幸食普及事業」を活用し、本市の特産であるオクラを使った菓子製造による新商品開発を行っており、これには本市出身で指宿観光大使も勤めるフレンチシェフ黒岩功氏のご協力をいただき、現在3事業所が名乗りを上げ、近いうちに販売が開始されるようです。黒岩氏は国内外5店舗のオーナーシェフに加え、自身でも大阪、京都で就労継続支援事業所を運営されています。今後、新商品を店頭で見かけた際には是非手に取っていただきたいと思います。

地域自立支援協議会の中に専門部会を設けて、事業所間の連携や支援体制の強化に取り組んでいます

また本市においては、地域自立支援協議会の下部組織として専門部会を設置しています。現在、「相談支援部会」「就労生活支援部会」「精神部会」「子ども支援部会」の4専門部会があり、毎月の定例会をはじめ、各種研修会を開催するなど活動していただいております。とりわけ就労生活支援部会では構成メンバーの多くが就労継続支援事業所となっており、各事業所見学やグループワークによる課題研究、県担当者を講師に招いての研修会を開催するなど、事業所間の連携強化はもちろん、基本的な支援体制・支援能力の充実に向けた取り組みを行ってきていただいています。また、本市の恒例行事となっております「いぶすき菜の花マラソン」の際には、大会本部のご厚意により会場に福祉ブースを設置させていただき、事業所で生産された製品の販売等を通じて、指宿市内外を問わず広く多くの方々へPRを行っております。

就労継続支援事業所を取り巻く状況は引き続き厳しい点も多いですが,障害者の方々の知識・能力の向上のために頑張っていただきたいと思います。